一級建築士の星悠真です。
賃貸物件で「夏の夜、寝室にエアコンがなくて暑くて眠れない…」と悩んでいるあなたへ。
この記事では、エアコンが付けられない寝室でも「本当に涼しく眠れる方法」を一級建築士の視点から4つ紹介します。
電気代や冷却効果の観点からも、あなたの寝室のタイプごとの選択肢を解説します。

「扇風機じゃ限界…」「電気代が気になる…」というあなたの悩みを、この記事が解決します。
賃貸で寝室にエアコンがなくても快眠できる4つの方法

賃貸住宅では、間取りの都合や管理規約で寝室にエアコンが付けられないことが多いです。しかし、工夫次第で快適に眠れる環境は作れます。
今回紹介する方法は次の4つです。
- リビングの冷気をサーキュレーターで送る
- ダクト式スポットクーラー(または窓用エアコン)
- ダクトなしスポットクーラー(冷風扇)
- 冷感寝具の導入

それぞれの特徴、涼しさ、電気代の目安を詳しく見ていきましょう。
①リビングの冷気をサーキュレーターで寝室に送る
もしリビングにエアコンがあり、寝室とつながっているなら、サーキュレーターで冷気を送り込むのが効果的です。

空気は軽い冷気が下に、暖かい空気が上にたまる性質があります。サーキュレーターはこの空気の流れを作り、冷えた空気を寝室まで届けます。
電気代は1時間1〜2円ほどと安く、夜通し運転しても月100円前後で済みます。特に「扇風機では冷気が届かない」という方におすすめです。
設置ポイントは、リビングと寝室の間に置き、冷たい空気を床近くから送り込むことです。

エアコンの設定温度も高めにできるため、電気代の節約にもつながるのもメリットです。
エアコンの設定温度も高めにできるため、電気代の節約にもつながるのがメリットです。
エアコンがある部屋が離れているなら?サーキュレーターを2台使う方法

リビングと寝室が廊下などで4m以上離れている場合、1台では風が届かないことがあります。
そんなときは、サーキュレーターを2台使うのが効果的です。
- リビング側のサーキュレーターは、冷気を寝室の入口へ向けて送風
- 寝室側のサーキュレーターは、届いた風を部屋の奥まで循環させる
この「送り手」と「受け手」を組み合わせることで、空気の流れが生まれます。部屋間の空気の温度差が減り、寝室の快適性が格段に上がります。

私の仕事部屋もエアコンが無いため、リビングからサーキュレーター2台を使って冷気を送っています。
あなたの部屋の広さに合ったサーキュレーターの選び方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
サーキュレーターは部屋の広さで決める!選び方と厳選7選|一級建築士厳選【2025年版】
②排熱ダクト式スポットクーラーで寝室を直接冷やす
寝室の冷却効果を何よりも優先したい方は、ダクト式スポットクーラーが有力候補です。

ダクト式スポットクーラーは、冷たい風を出すと同時に、熱も発生します。そのため、排熱ダクトと窓パネルを必ず使って外へ熱を逃がすことが前提です。
排熱を屋外に出す構造のため、冷却効率が高く部屋の温度をしっかり下げられます。
窓枠に排熱用のダクトを固定して使うため、賃貸でも設置可能です。

裏を返せば、特殊な窓の形や、窓がない部屋では使えないのが弱点です。
消費電力は400〜800W程度で、電気代は1時間15〜25円が目安です。壁掛けエアコンより電気代はかかりますが、夜間だけの使用なら電気代負担も軽く済みます。
「窓がある寝室でしっかり冷やしたい」という方には最適な方法です。
窓用エアコンでも代用可能
ダクト式のスポットクーラーとよく比較されるのが、窓用エアコンです。

どちらも室外機が不要で、窓があれば取り付けできます。
インテリア性や動作音・電気代など、優先させるポイント次第でどちらを選ぶべきか変わります。
この2つの違いや選び方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
スポットクーラーと窓用エアコンどっちが冷える?違いと選び方【2025猛暑対策】
③ダクトなしスポットクーラーで体感温度を下げる
ダクトを設置できない場合や、静音性やインテリア性を重視したい場合、ダクトなしスポットクーラー(冷風扇)が有力候補です。

氷水や保冷剤を使い、風を冷やして送る仕組みです。冷たい風が出るため、扇風機よりも体感温度が下がります。
涼しさは体感温度が2〜3℃下がる程度で、部屋全体を冷やす力はありません。しかし、体に直接当てると就寝時の暑さを和らげられます。
電気代は1時間1〜3円と安く、湿度が上がる点に注意すれば快適です。

「静かで、少しでも涼しい風が欲しい」というニーズにぴったりです。
冷風扇の仕組み・選び方は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【2025年版】ほんとに涼しい排熱ダクトなしのスポットクーラーの選び方とおすすめ5選|一級建築士が解説
④冷感寝具を導入して体感温度を下げる

image : Amazon
最後は電気を使わず、直接体を涼しくする方法です。
接触冷感素材の寝具は、触れた瞬間に熱を奪い、体感温度を下げます。
サーキュレーターやスポットクーラーと併用すると、さらに効果が高まります。耐久性や洗濯のしやすさも選ぶポイントです。
電気代ゼロで、導入コストも安めです。

持続性には限界がありますが、「機械音や風が苦手」という方にもおすすめです。
まとめ|あなたに合った方法で寝室を快適に
この記事では、エアコンがなくても、寝室を涼しくする方法を4つ紹介しました。
今回紹介した4つの方法は、組み合わせることでさらに効果を高められます。
方法 | 涼しさ | 電気代(1時間) | 導入難易度 | 賃貸適合度 |
---|---|---|---|---|
サーキュレーター送風 | 中 | 1〜2円 | 簡単 | ◎ |
ダクトありスポットクーラー | 高 | 15〜25円 | やや難しい | ○ |
ダクトなしスポットクーラー(冷風扇) | 低〜中 | 1〜3円 | 簡単 | ◎ |
冷感寝具 | 低 | 0円 | 簡単 | ◎ |
あなたの部屋の間取り、窓の位置、予算、そして電気代の許容範囲を考慮しながら、最適な組み合わせを見つけましょう。
1つの方法にこだわらず、2つ以上を組み合わせれば、体感温度を下げつつ快適な湿度を保つこともできます。

夏の寝不足は、翌日の集中力や体調にも影響します。
今年の夏は、エアコンがない寝室でもぐっすり眠れる環境を整え、涼しく健康的に乗り切りましょう。
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