こんにちは、スぺパ建築士の星 悠真です。

これから賃貸物件を探す方へ。
一級建築士として、またスペパ(=スペースパフォーマンス)を重視するミニマリストとして、最近注目しているのがシャワーのみの「浴槽レス物件」です。
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特に、狭い部屋やワンルームでもおしゃれに住みたい方、シンプルで効率的な暮らしを求める方にとって、浴槽がないことで得られるメリットは大きいです。
しかし一方で、デメリットも存在します。
この記事では、浴槽レス物件のメリットとデメリットを詳しく解説し、賃貸選びの参考になる情報を提供します。
浴槽レス物件が増えている背景

近年、都市部を中心に浴槽のないシャワールームのみの賃貸物件が増加しています。
FNNプライムオンラインによると、
ある不動産会社では2012年から浴槽レス物件を扱い始め、2025年現在、物件数は1万戸以上に達し、入居率は98%に達していると報告されています。
これは、生活スタイルの変化や空間効率の向上を求めるニーズの高まりが背景にあります。
①生活スタイルの変化
LINEリサーチの調査によると、
20代の約60%が「普段はシャワーだけで済ませる」と回答しており、湯船に浸かる習慣が減少しています。
このようなライフスタイルの変化が、浴槽レス物件の需要を高めています。
②空間効率の向上
狭小住宅やワンルームマンションでは、浴槽を設置することでバスルームの面積が増え、居住スペースが減少します。
浴槽を省くことで、リビング・ダイニングなどの居住スペースを広く使えるようになり、空間効率が向上します。
このように、狭い家でも居住スペースを少しでも広くしたいというニーズが、浴槽レス物件の増加に繋がっているとも考えられます。
浴槽レス物件のメリット
①【スぺパ】居住スペースが広い/【コスパ】家賃が安い傾向にある

先述の通り、同じ住宅面積でも、浴槽レス物件と通常の物件では、実際に使える居住スペースに差があります。
浴槽レス物件のほうが、居住スペースが広くなるためスぺパ(=スペースパフォーマンス)が良いです。
また、浴槽がないことで設備費用を抑えられるため、同じ面積でも家賃が安く設定されている物件もあります。
実際に、同じエリア・間取りでも、浴槽レス物件の方が家賃が10%程度安いケースも見られます。
②【タイパ】掃除が簡単で時短に繋がる
浴槽の掃除は意外と手間がかかります。カビや水垢が発生しやすく、週1~2回の清掃が必要です。
一方、浴槽レスなら床や壁をサッと拭くだけで済むため、掃除時間が大幅に短縮できます。
その点で、タイパ(タイムパフォーマンス)にも優れているのが浴槽レス物件です。
③【コスパ】水道代と光熱費を節約できる
シャワーのみの生活にすると、水道代や光熱費を節約でき、コスパが良いです。
例えば、1回の入浴で約200リットルの水を使用するのに対し、
シャワーのみの場合は約60リットルで済むため、月々の水道代が約1,000~2,000円節約できるケースもあります。
浴槽レス物件のデメリット
①将来的に考えが変わった場合の対応が難しい

現在はシャワー派でも、将来的に湯船に浸かりたいと思うようになる可能性があります。
しかし、浴槽レス物件ではそのニーズに対応できないため、引っ越しを検討する必要が出てくるかもしれません。
②湯船の健康面メリットを享受できない
湯船に浸かることで得られるリラックス効果や血行促進効果がないため、
冷え性の人や筋肉痛が気になる人には物足りなさを感じやすいです。
③物件数が限られる
浴槽レス物件は都心では一般的になりつつありますが、地域によって選択肢が限られることがあります。
特に地方では、浴槽付きの物件が主流であり、浴槽レス物件を見つけるのが難しい場合もあります。
お探しの地域で浴槽レス物件が見つからない場合、バストイレ一体型のユニットバス(3点ユニットバス)も、コスパ・タイパ・スペパの面でおすすめです。
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浴槽レス物件を選ぶ際のポイント
①シャワーの水圧を確認する

浴槽がない分、シャワーの性能がバスタイムの快適性に直接影響します。
シャワー派であっても、水圧が弱いと快適さが半減してしまいます。
可能であれば、物件見学時に水を流して確認しましょう。
②バスルームのレイアウトや動線を確認する
洗濯機置き場があるか、収納スペースが確保されているかを確認しましょう。
収納スペースについては見取り図に記載がないことが多いので、
実際に内見してチェックすることをおすすめします。
③生活スタイルを再確認する
将来を見据えて、浴槽レス物件が自分の生活スタイルに合っているかを再確認しましょう。
例えば、寒い冬はゆっくり湯船に浸かりたいと考えている場合は、近くに銭湯や温泉施設があるかもチェックポイントです。
まとめ

浴槽レス物件は、居住スペースの有効活用や掃除のしやすさ、光熱費の節約など、スペパ・タイパ・コスパの面で非常に多くのメリットがあります。
しかし、湯船に浸かる習慣がある方や将来的にそのニーズが出てくる可能性がある方にとっては、デメリットも存在します。
自分のライフスタイルや将来のニーズを考慮し、最適な住まいを選ぶことをおすすめします。
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