一級建築士の星悠真です。
「エアコンでは部屋が暖まりにくい」「エアコンを使っているのに足元が冷える」
このような悩みを感じていませんか?
近年、そんな悩みを解消するとして注目されているのが、温風サーキュレーターです。
しかし、「電気代が高いらしい」「普通のサーキュレーターとの違いがよくわからない」と感じている方も多いでしょう。

この記事では、温風サーキュレーターの電気代・効果・使い方を徹底検証します。
この記事を読むことで、
- 光熱費をできるだけ抑える方法
- 部屋の寒さを効率的に改善する方法
- 「あなたの目的に合った最適なサーキュレーターの選び方」
が明確になります。
温風サーキュレーターとは?普通のサーキュレーターとの違い【電気代の視点から解説】

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結論から言うと、温風サーキュレーターの電気代はやや高めです。
具体的な電気代を見てみましょう。
普通のサーキュレーター|空気を循環させる「補助家電」

まず普通のサーキュレーターの電気代を見てみましょう。
普通のサーキュレーターはモーターで風を送り、部屋の空気をかき混ぜることを目的としています。
消費電力はおよそ20〜40W程度で、1時間あたりの電気代は約1円前後しかかかりません。長時間使っても電気代を気にせず利用できる点が魅力です。
エアコンの風を部屋全体に広げる、空気を循環させるなどの「効率化目的」で使われます。
温風サーキュレーターは「風+暖房」のハイブリッド家電

温風サーキュレーターは、送風しながら温風を出すヒーター機能を備えています。
つまり、風で空気を動かしつつ、自ら発熱して暖房効果を発揮します。
消費電力はおよそ500〜1200Wで、1時間あたりの電気代は約15〜35円程度です。
普通のサーキュレーターとの違いを比較
| 項目 | 普通のサーキュレーター | 温風サーキュレーター |
|---|---|---|
| 主な役割 | 空気循環 | 暖房+空気循環 |
| 消費電力 | 約20〜40W | 約500〜1200W |
| 電気代(1時間) | 約1円 | 約27円 |
| 向いている使い方 | エアコンの風を拡散 | 足元や局所を暖める |
| メリット | 電気代が安い・省エネ | 足元の冷え解消・体感温度UP |
普通のサーキュレーターは省エネ重視で、空気の循環に向きます。
一方、温風サーキュレーターは電気代は高めですが、快適性を重視したい方に向いています。
最近の高断熱・高気密住宅であれば普通のサーキュレーターで十分ですが、「足元の冷え」や「暖まりにくい部屋」を改善したい場合は、温風サーキュレーターの方が効果的です。

また、天井が高いリビングや北向きの部屋では温風サーキュレーターの方が体感温度を上げやすいです。
温風サーキュレーターは部屋干しにも便利

温風サーキュレーターは、暖房補助だけでなく洗濯物の部屋干し乾燥にも役立ちます。サーキュレーターを使うかどうかで、乾燥時間は2倍以上の差が出ます。
| 使用環境 | 乾燥時間(目安) | 電気代(1時間) | 仕上がり | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| サーキュレーターなし | 約8〜10時間 | 0円 | 生乾きリスクあり | 湿気がこもりやすい |
| 普通のサーキュレーター | 約4〜5時間 | 約1円 | 均一に乾く | 風の循環でムラ防止 |
| 温風サーキュレーター | 約2〜3時間 | 約15〜35円 | ふんわり乾く | 暖房補助にも使える |
温風サーキュレーターの電気代は高い?他暖房器具との比較
温風サーキュレーターはヒーター機能を備えているため、他の暖房器具と同じく消費電力が大きいのが特徴です。
主な暖房器具の電気代比較
| 家電 | 消費電力(W) | 1時間あたりの電気代 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| エアコン(6畳) | 約600W | 約16円 | 部屋全体の暖房 |
| セラミックヒーター | 約1200W | 約32円 | 局所暖房 |
| オイルヒーター | 約1000W | 約31円 | 長時間の使用 |
| 温風サーキュレーター | 約1000W | 約27円 | 足元や補助暖房 |
| 普通のサーキュレーター | 約30W | 約1円 | 空気循環のみ |
このように、温風サーキュレーター単体の電気代は確かに高めです。
しかし、サーキュレーターはエアコンと併用すると暖房効率を高めるため、設定温度を1~2度下げることが可能です。
エアコン併用時の電気代比較|温風サーキュレーターと普通のサーキュレーターの違い

温風サーキュレーターは単体で使うと電気代が高くなりますが、エアコンと併用すると設定温度を下げられるため、むしろ全体の電気代が下がる場合があります。
以下は、パターン別の電気代の一例です。
| 使用パターン | エアコン設定温度 | 平均消費電力 | 電気代(1時間) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| エアコン単体 | 24℃ | 約700W | 約22円 | 標準的。暖まりにムラあり |
| エアコン+普通のサーキュレーター | 22℃ | 約550W | 約17円 | 均一に暖かく、省エネ重視 |
| エアコン+温風サーキュレーター | 22℃ | 約950W (エアコン550W+サーキュレーター400W) | 約21円 | 足元まで暖かく快適性UP |
| 温風サーキュレーター単体 | — | 約1000W | 約27円 | 局所暖房。主暖房用途では非効率 |
比較からわかるポイント
- サーキュレーターを併用すると、エアコンの設定温度を下げても暖かく感じる。
- 光熱費削減が目的なら「エアコン+普通のサーキュレーター」。
- 体感温度UPを求めるなら「エアコン+温風サーキュレーター」。

つまり、あなたの目的によって選ぶべき組み合わせは異なります。
なお、普通のサーキュレーターの選び方とおすすめモデルは以下の記事で紹介しています。是非参考にしてください。
サーキュレーターは部屋の広さで決める!選び方と厳選7選|一級建築士厳選【2025年版】
なぜ「温風サーキュレーター単体より併用の方が安い」のか
- 出力制御が違う:
単体使用では常に最大出力、併用では断続的な低出力運転になる。 - エアコンの設定温度を下げられる:
温風サーキュレーターが足元の冷えを補い、エアコンの負担を減らす。 - 暖房効率が上がる:
暖気が均一に行き渡り、エアコンの運転時間が短縮される。
つまり、温風サーキュレーター単体では「自力で暖める」ため電気代が高くなりますが、エアコンと組み合わせることで「補助として短時間・低出力で使える」ため、全体のエネルギーコストが下がるというわけです。
一級建築士が教える!目的別おすすめの使い方と選び方

| 目的 | おすすめの組み合わせ | 理由 |
|---|---|---|
| 光熱費を削減したい | エアコン+普通のサーキュレーター | 消費電力が低く暖気を効率的に循環 |
| 快適に暖まりたい・足元が冷える | エアコン+温風サーキュレーター | 局所暖房+体感温度UP |
| 暖まりにくい構造の部屋 | エアコン+温風サーキュレーター | 暖気を下に押し下げ効果的 |
建築士の視点から見ると、「断熱性の高い部屋」「狭い部屋」では普通のサーキュレーターで十分。
一方で、「断熱性が低い」「天井が高い」など暖まりにくい空間では、温風サーキュレーターの効果が大きいです。
温風サーキュレーターおすすめ3選【一級建築士が厳選】
消費電力、静音性、手入れのしやすさを考慮して厳選した温風サーキュレーターを3つご紹介します。是非参考にしてください。
【第1位】山善(YAMAZEN) サーキュレーター HOT&COOL YAR‑ZD171

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「部屋干し」「温風」「送風」の3モードを搭載しており、洗濯物の乾燥から冬の暖房補助、夏の送風までオールシーズン活躍します。特に衣類乾燥モードは部屋干し対策としても効果的です。
送風モードではわずか22W、温風モード1200Wと、用途に応じてしっかり使い分けができるのが魅力。
DCモーターを搭載しているため、風量を落とした際の静音性が高く、寝室や在宅ワーク中でも音が気になりません。リモコン操作・切タイマー機能・上下左右の自動首振り機能を備えており、部屋の隅々まで風を届けられる点も使いやすさのポイントです。
【第2位】スリーアップ ヒート&クール 温冷 サーキュレーター HC-AZ0694WH

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多機能ながらコストパフォーマンスに優れたモデルです。
送風モード38W・温風モード1200Wという数値は標準的ながら、効率の良い温風循環により実用的な暖房補助が可能。
静音性も高いのも魅力です。本体は幅25.5cm・奥行22cm・高さ34cmというコンパクトサイズで、狭い部屋や洗面脱衣所などにも設置しやすい設計です。
【第3位】スリーアップ ヒート&クール 温冷 サーキュレーター HC-T2209-WH

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コンパクト設計と省スペース性に優れたモデルです。
衣類乾燥モードを搭載しており、部屋干しに適した構成となっています。発熱効率を高めた温風構造で、エネルギーを無駄なく使う省エネ設計が魅力。
送風モード38W・温風モード1200Wと消費電力は標準的なモデルです。
まとめ|光熱費を抑えるか、快適さを優先するか
温風サーキュレーターは電気代こそ高めですが、足元の冷えを解消し、部屋全体の暖房効率を上げられる優れた家電です。
光熱費を重視するなら、エアコン+普通のサーキュレーター。
快適性を優先したいなら、エアコン+温風サーキュレーター。
あなたの部屋の構造と断熱性能を理解したうえで選び、冬をより暖かく、快適に過ごしましょう。




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