一級建築士の星悠真です。
北向き物件は冬に電気代が高くなる傾向があります。
しかし、家賃の安さを考えると、トータルでお得になるケースが多いです。
「家賃が安いから北向き物件を選びたいけれど、冬の光熱費が心配…」
という方に向けて、この記事を書きました。
この記事では、南向き物件との家賃や電気代を比較し、どちらが優れているか、一級建築士の視点から解説します。

さらに、北向き物件でも快適に暮らす工夫も紹介します!
北向き賃貸物件の特徴|夏は涼しい?冬は寒い?
北向き物件は夏に涼しい

北向き物件は直射日光が入りにくく夏は涼しいです。
南向きや西向きの部屋では昼過ぎから夕方にかけて強い日差しが入り、室温がぐんと上がります。
北向きはその影響が少ないため、エアコンを使う時間を短くでき、電気代の節約にもつながります。
また、窓の向きだけでなく周囲の建物やバルコニーの庇も重要です。

北向きの部屋は南向きより室温が1〜3度低くなることが多く、体感としても快適です。
さらに風通しが良ければ、自然な涼しさを活用できます。
扇風機やサーキュレーターを組み合わせれば、エアコンに頼らず快適に過ごせることもあります。
このように、北向き物件は夏場の光熱費を抑える観点で非常に有利です。
北向き物件は冬に寒い

一方、北向き物件は冬に室温が下がりやすく、暖房費がかさみます。
南向きの部屋は昼間に太陽光で暖まるため、暖房の使用時間が短く済むことが多いです。
しかし、北向きの部屋は日射がほとんど入らないため、暖房を長時間使わないと快適に過ごせません。

さらに、建物の断熱性能が低い場合、床や壁から冷気が入って暖房効率が悪くなることもあります。
そのため、冬の光熱費は南向き物件より増える傾向にあります。
北向き物件と南向き物件の家賃比較
北向きは3〜10%安い傾向

北向き物件は南向きより家賃が安く設定されることが多いです。
賃貸市場では、日当たりの良さが物件選びの重要条件の一つです。
そのため南向き物件は家賃が高くなり、北向き物件は相対的に安くなります。
家賃の差は3〜10%程度で、都市部では1〜2万円の差になることもあります。

北向きの家賃の安さは、冬の光熱費増加を十分にカバーできる金額です。
都市部での家賃差の事例

東京都23区内のワンルームで比較すると、南向きが月8万円の場合、北向きは7.5万円程度です。
年間にすると6万円の差が生まれ、電気代増加のデメリットをカバーできます。
築年数や設備条件が同じ場合、北向きの経済的メリットは大きくなります。
高層階や角部屋など、日当たり条件が良い北向き物件もあります。こうした物件は家賃差が小さい場合がありますが、工夫次第で快適に暮らすことができます。
北向き物件の電気代はどれくらいかかる?
冬は南向きより高くなる

北向き物件は冬に電気代が高くなりやすいです。
日射を取り込めないため、暖房を長時間使用する必要があります。特に12月〜2月は外気温が低く、室温が下がりやすいのでエアコンや電気ヒーターの稼働時間が増えます。
電気代のシミュレーション例
東京都内のワンルームを想定すると、北向きは南向きより月1,000〜3,000円高くなることがあります。
冬の3か月間では最大9,000円、年間で約2万円の差になることもあります。
夏は逆に直射日光が少ないため、冷房使用時間を減らせます。

夏場は南向きより月500〜1,500円安くなるイメージです。
光熱費表で比較(例)
物件タイプ | 家賃(月額) | 冬の電気代(月額) | 夏の電気代(月額) | 年間合計 | コメント |
---|---|---|---|---|---|
北向き賃貸 | 75,000円 | 7,000円 | 3,500円 | 約1,032,000円 | 家賃安さで冬の電気代をカバー |
南向き賃貸 | 80,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 約1,074,000円 | 家賃高いが夏は涼しい |
※東京都内ワンルーム想定
表からわかる通り、北向きは冬の光熱費が増えても、年間トータルでは4万円程度節約できます。
北向き賃貸は本当にお得?家賃と電気代をトータル比較
家賃と光熱費のバランス

結論から言うと、北向き賃貸は年間トータルで見るとお得なことが多いです。
家賃差が年間6万円、冬の光熱費差が2万円なら、年間で約4万円の節約になります。
つまり北向きのデメリットは、家賃の安さで十分補えます。
断熱性能や築年数による違い
古い建物や断熱性能の低い物件では、電気代差が大きくなる場合があります。

新築やリフォーム済みでは差が小さく、北向きでも快適に過ごせます。
一級建築士が教える北向き物件で快適に暮らす工夫
北向き物件は冬の寒さが気になりますが、賃貸でも簡単にできる工夫で快適性は大幅に改善できます。
ここでは一級建築士の視点で、実践しやすい方法を紹介します。
断熱カーテンや厚手カーテンを活用する

image : Amazon
冬の寒さ対策では、窓からの冷気対策が最も効果的です。
厚手の断熱カーテンを使うと、暖房効率が上がり、冬の室温を1〜2度上げることが可能です。
家具の配置を工夫する

家具の置き方だけでも北向きの寒さは緩和できます。
ベッドやソファを窓から少し離すことで、冷気の直撃を避けられます。
厚手のラグを床に敷くことで、床からの冷気を防ぎ、体感温度を上げることもできます。

家具で風の流れを遮らず、暖房の熱を部屋全体に循環させる配置が理想です。
サーキュレーターで暖気を循環

暖房の熱は天井付近に溜まりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させると部屋全体が均一に暖まります。
光熱費を抑えつつ、快適性を高める効果があります。

1時間で1〜2円程度の電気代なので、電気代を気にする場合でも安心して使えます。
サーキュレーターの選び方とおすすめモデルは以下の記事で紹介しています。参考にしてください。
サーキュレーターは部屋の広さで決める!選び方と厳選7選|一級建築士厳選【2025年版】
窓際の冷気対策グッズ

image : Amazon
窓用断熱シートやすきま風防止テープを貼るだけで冷気を遮れます。
原状回復可能な製品が多いため、賃貸でも安心して使えます。
暖房の効きが良くなり、光熱費削減にも直結します。
まとめ|北向き賃貸は家賃と電気代を考えるとお得

北向き物件は冬に電気代がかかりますが、家賃の安さを考えると年間トータルでお得です。
- 夏は涼しく電気代を抑えられる
- 冬は暖房代がかかるが工夫次第で軽減可能
- 家賃は南向きより3〜10%安い
- 断熱性能や家具配置で快適性を確保できる
- 年間トータルで北向きは得になるケースが多い
あなたが家賃重視で賃貸を探しているなら、北向き物件も十分に検討する価値があります。
工夫次第で快適性も確保でき、家計にもやさしい選択です。
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