一級建築士の星悠真です。
「マンションの最上階は寒いと聞いたけれど本当なの?」「暖房を入れても全然暖まらない…」
そんな疑問や悩みを持っている方へ。
自身も7階建ての賃貸マンションの最上階に住んでいた経験があり、冬の寒さ・夏の暑さに悩んでいました。
結論として、最上階は建物の構造上の理由で寒くなりやすいです。
しかし、原因を正しく理解し、効果的に対策を行えば快適に過ごすことができます。

この記事では、建築のプロとして「なぜ寒いのか」「どう対策すればよいのか」を、実体験を交えながら徹底的に解説します。
マンション最上階はなぜ寒いのか?

最上階が寒い最大の理由は、外気に接する面が多いからです。外壁も屋上も、外の冷たい空気と直接触れています。
そのため冬になると、冷気が建物全体を通して室内に伝わります。
外気に触れる面が多い構造的な特徴
マンションは中間階に比べ、最上階は外気の影響を強く受けます。
中間階では上下の部屋が「断熱層」の役割を果たし、熱の逃げ場が少なくなります。
しかし最上階は屋上のすぐ下に位置するため、天井面が常に冷やされます。
とくに築年数が古い建物では、断熱材の厚みが不足しており、冷気がダイレクトに伝わります。

1990年代以前に建てられたマンションは、断熱材の使用量が少なく、サッシも単層ガラスのケースが多いです。
RC造のマンションが寒い理由|コンクリートは一度冷えると暖まりにくい

マンションの構造がRC造(鉄筋コンクリート造)の場合、最上階がより寒くなることがあります。コンクリートは、熱をためやすく逃がしにくい性質を持っているためです。
コンクリートは熱伝導率が高く、外の冷気をゆっくり室内に伝えます。そのため一度冷えた壁や天井は、室内を冷やし続けます。
暖房を入れても「壁そのもの」が冷たいため、部屋全体の温度が上がりにくいのです。

私が暮らしていたRC造の最上階では、中間階に住んでいた時よりも明らかに暖房エアコンの効きが遅かったです。
外断熱ではなく内断熱が多い
多くの日本のマンションでは「内断熱」が採用されています。
これは、コンクリートの内側に断熱材を貼る方法です。しかしこの工法だと、外壁コンクリート自体が外気にさらされ、冬は冷え、夏は熱くなります。
結果として、断熱材とコンクリートの間に温度差が生まれ、結露や冷えの原因になるのです。

最近の新築は法律で高い省エネ性能が求められるようになっているため、外断熱を採用しているケースもあります。
最上階の寒さが引き起こす電気代の上昇と暖房効率の低下
最上階の寒い部屋を暖めるためには、中間階と比べてエアコンの負荷が大きくなります。その結果、暖房効率が悪くなり、光熱費が上がってしまいます。
暖房が効かない理由

最上階では屋上や外壁からの熱損失が多いため、エアコンの稼働時間が長くなります。
設定温度を上げてもなかなか暖まらず、結果として電気代が増えてしまいます。
足元が冷える理由

暖かい空気は上にたまり、冷たい空気は下に沈みます。
最上階では天井から冷気が降り、床の近くに冷たい空気が滞留します。
そのため足元が冷え、体感温度が下がります。

暖房を強くしても、身体の芯が温まりにくいのです。
一級建築士が教えるマンション最上階の寒さ対策
最上階の寒さを完全に消すのは難しいですが、工夫次第で快適に変えることは可能です。
ここでは、構造を理解したうえで実践できる現実的な対策を紹介します。
体感温度を上げる方法で寒さを軽減する
最初に考えるべきは、室温よりも「体感温度」を上げることです。
サーキュレーターを使う

image : Amazon
暖房の空気を循環させることで、部屋全体を均一に暖めます。
天井近くにたまった暖気を下に送るだけでも、足元の冷えはかなり軽減されます。

私は、サーキュレーターを天井方向に45度傾けて使用しています。エアコンの設定温度を2℃下げても快適に過ごせています。
サーキュレーターの選び方とおすすめモデルは以下の記事で紹介しています。是非参考にしてください。
サーキュレーターは部屋の広さで決める!選び方と厳選7選|一級建築士厳選【2025年版】
ホットカーペット・電気毛布を活用する

image : Amazon
床からの冷えを遮断し、局所的に温める方法です。
ホットカーペットの上に専用の厚手ラグを敷くと、保温効果が高まります。
寝室では電気毛布を併用すると、短時間で身体が温まり快眠しやすくなります。
部屋の断熱性能を高める方法
建物の構造そのものを変えるのは難しいですが、手軽にできる断熱強化策もあります。
断熱カーテンの利用

image : Amazon
厚手の断熱カーテンを導入することで窓からの冷気侵入を緩和できます。
カーテンそのものが冷気を遮る役割を果たし、また窓とカーテンの間に「空気の層」をつくることで断熱効果が上がります。丈を窓下まで伸ばし、床まで届くタイプにすると効果的です。
すき間テープで冷気を遮断

image : Amazon
築年数が古く、窓サッシが劣化している場合に有効な対策です。
窓枠やサッシの隙間からは冷たい空気が入りやすいので、すき間テープを貼るだけで冷気の侵入経路を塞ぎます。
分譲マンションなら断熱改修も選択肢

分譲マンションなら、天井裏への断熱材追加や、内窓(二重サッシ)の設置も検討できます。
初期費用はかかりますが、暖房費を年間で数万円節約できる可能性があります。
最上階の暮らし方のコツ

最上階は寒さだけでなく、夏は暑さにも悩まされます。
私は7階建ての賃貸マンションの最上階に住んでいた際、冬と夏、両方の極端な温度差を体感しました。しかし、対策を重ねることで快適さは確実に変わりました。
冬のポイント
・サーキュレーターでエアコンの暖気を循環
・断熱カーテンとラグを併用
・それでも寒いときは電気毛布を活用
夏のポイント
・断熱カーテンで日射を遮る
・エアコンとサーキュレーターを併用し、室内の温度ムラをなくす
建物の構造を理解して工夫すれば、最上階でも快適な暮らしは実現できます。
まとめ:最上階は寒いが、対策すれば快適に住める

最上階が寒い原因は「外気に触れる面が多い」「コンクリートの熱特性」「断熱不足」の3点に集約されます。しかし、これらは理解すれば十分にコントロールできます。
あなたの住まいでも、
・空気を循環させる
・断熱アイテムを使う
・冷気の流れを遮断する
これらの工夫を行い、体感温度を改善させましょう。




コメント