道路沿い賃貸の防音対策｜遮音カーテンは意味ない？一級建築士が解説

一級建築士の星悠真です。

「賃貸で道路沿いに住んでいるけど、車の音がうるさくて眠れない…」そんな悩みを抱えていませんか。

多くの人がまず遮音カーテンを試すと思いますが、実は効果が薄いです。

それはカーテンの性能ではなく、部屋そのものの構造が原因なのです。

この記事では、建築士としての専門知識をもとに「賃貸でもできる防音対策」について詳しく解説します。

そもそも賃貸物件は防音性能が低い傾向がある

賃貸物件は建築コストを抑えて建てられることが多く、防音性能は分譲マンションより低いケースが一般的です。

特に窓やサッシは音の通り道になりやすく、遮音性が不十分です。

部屋の防音性能は、立地や築年数に大きく左右されます。

つまり「道路沿い賃貸はうるさい」と感じるのは、建物そのものの仕様に起因しているのです。

道路沿いの騒音対策として選ばれる「遮音カーテン（防音カーテン）」

遮音カーテンは万能ではない

遮音カーテンは車の走行音には効果がありません。

厚手の生地で窓を覆うことで、多少の高音を吸収しますが、低音には効果がありません。

車の走行音は「ゴー」という低い音が主体です。この周波数帯は布では防げず、窓ガラスやサッシを通って直接伝わります。

効果があるケースとないケース

・人の声や高音はある程度遮れる
・トラックやバイクのエンジン音は通過する
・窓を完全に覆っても、隙間から音が入る

こうした理由から、遮音カーテンは「気休め」にはなっても「根本的な防音」にはなりません。

音の大半は窓が原因

騒音は壁よりも窓を通って入ってきます。

ガラスは薄く、遮音性能が低いためです。特に一枚ガラスのアルミサッシでは、外の音がそのまま室内に届きます。

サッシの隙間も大きな要因

窓ガラスだけでなく、サッシと枠の間にあるわずかな隙間からも音は侵入します。

「なら隙間テープでふさげばいいのでは？」と思うかもしれません。

隙間テープで防げる音域は、カーテン同様、低音のエンジン音やトラックの走行音までは防げません。

そもそも遮音できる音域が限られているのです。

根本的な解決は「二重サッシ（内窓）」しかない

建築士として断言します。

窓からの騒音を根本的に防ぐ唯一の方法は二重サッシ（内窓）です。

窓を二重にすることで空気層が生まれ、遮音性能が格段に高まります。

道路沿いの騒音に悩むなら、二重サッシが最も効果的な解決策です。

賃貸では二重サッシの導入が難しい

しかし賃貸では原状回復の観点から、二重サッシ工事を自由に行えません。

大家や管理会社の許可が必要であり、費用も数十万円かかります。多くの入居者にとって現実的ではありません。

道路沿い賃貸での新しい騒音対策｜ホワイトノイズマシン

残念ながら、遮音カーテンや隙間テープでは騒音を防げません。また、本格的な防音工事は賃貸では非現実的です。

現実的な防音対策は、「音を消す」のではなく「音を目立たなくする」ことです。

音を目立たなくするアプローチの１つが、ホワイトノイズです。

音で音を消す仕組みが効果的

ホワイトノイズは一定の「ザーッ」という音で、外の不規則な騒音をかき消します。川のせせらぎや滝、雨音などがこれにあたります。

外の音が気にならなくなり、睡眠環境を整えることができます。

睡眠改善に実証されている効果

ホワイトノイズは赤ちゃんの寝かしつけや不眠症対策にも使われています。

医学的にも睡眠の質を高める効果が示されています。

ホワイトノイズマシンが賃貸に最適な理由

image : Amazon

個人的には、ホワイトノイズマシンがおすすめです。安価に購入でき、高いマスキング効果が期待できます。

・工事不要でコンセントに挿すだけ
・持ち運びできるので引っ越し後も使える
・価格が数千円からと手軽

▽ホワイトノイズマシンの選び方とおすすめモデルはこちら▽

隣人の騒音対策に！一級建築士厳選のホワイトノイズマシン5選【2025年版】

まとめ｜道路沿い賃貸でも静かな暮らしは可能

道路沿いの賃貸に住むと、騒音の影響は避けられません。

隙間テープや遮音カーテンは限定的であり、根本的な解決には二重サッシしかありません。

しかし賃貸では現実的に難しいため、必要なのは「工事を伴わない対策」です。

ホワイトノイズマシンは手軽に導入でき、睡眠環境を大きく改善します。

建築士としても、今すぐできる最も現実的で効果のある防音対策だと考えています。

騒音のストレスから解放され、ぐっすり眠れる生活を手に入れてください。

あなたの快適な毎日を心から願っています。