こんにちは、一級建築士の星 悠真です。
「毎晩、上の階の足音が響いて眠れない」
「せっかく吸音材を貼ったのに、全然静かにならない」
そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、賃貸マンション・アパートで天井の防音をしたいあなたに向けて、効果のある現実的な対策をわかりやすく解説します。
専門家の視点から、なぜ吸音パネルが効かないのか、そして今すぐ実践できる防音手段は何かを具体的にお伝えします。
また、記事の後半では、今注目されている「ホワイトノイズマシン」についても紹介します。

この記事を読むことで、無駄な出費を防ぎ、騒音ストレスから解放される方法が見つかります。
天井の防音のやり方は音の種類によって変わる|音の種類を見極めよう
まず大前提として、天井を伝わってくる音には2つのタイプがあります。
それぞれで適切な対策が違うため、混同すると効果が出ない原因になります。
空気伝搬音|話し声やテレビの音など

空気を振動させて伝わってくる音を「空気伝搬音」と呼びます。
たとえば、上の階のテレビの音、会話、音楽などがこれに該当します。
このタイプの音には、遮音シートや吸音パネルを天井全面に貼ると効果を発揮します。
ただし、天井の一部分のみに貼っても効果はありません。さらに、効果はあくまで「空気を伝わる音」に限られます。
個体伝搬音(衝撃音)|足音や物を落とす音

一方、足音やイスを引く音、物を落とす音などは「個体伝搬音」です。
天井騒音の悩みのほとんどが、この個体伝搬音です。
個体伝搬音とは、建物の構造体(床・壁・天井)を通って伝わる振動音です。
この振動音は、天井の裏側を貫通してあなたの部屋の空気を振動させているため、
表面に吸音材を貼ってもほとんど効果がありません。
吸音材は天井防音のやり方としては不十分|衝撃音には効果がない

防音と聞くと、真っ先に「吸音パネルを貼ればいい」と思うかもしれません。
しかし、それは誤解です。
吸音パネルは「空気音」にしか効果がないため、天井の衝撃音対策としては不向きです。
実際、吸音材による重量衝撃音(足音)への減衰効果は2〜3dB程度しかありません。これは、体感では「ほとんど変わらない」と感じるレベルです。
また、天井に直接貼る行為は賃貸物件では原状回復義務違反となる可能性もあります。
天井防音の根本的なやり方は「上階の床の対策」にあり|しかし現実は難しい

衝撃音を本当に防ぐには、上階の床に対策を施す必要があります。
具体的には以下のような方法があります。
- 上階の床に遮音マットを敷く
- 二重床構造にして衝撃を分散させる
- フローリングではなくカーペット仕上げにする
防音効果の高いカーペットなら、階下の住民が生活音をほとんど感じないレベルまで遮音することができます。
しかし、上階の住人にその対応をお願いできるケースはほとんどありません。
現実的に、自分で対策できる範囲は限られているのです。
ホワイトノイズマシンは天井の騒音対策に効果的|どんな音にも対応できる

image : Amazon
物理的に防げない騒音に対して、いま注目されているのがホワイトノイズマシンです。
これは「ザーッ」というノイズ音を空間に流すことで、外からの音を感じにくくする=マスキングする効果があります。
ホワイトノイズマシンは、3,000~5,000円程度で入手でき、お手軽な騒音対策としておすすめできます。
ホワイトノイズとは何か?
ホワイトノイズとは、すべての周波数帯の音を均等に含んだ音のことです。自然の音(風、波、雨)なども含まれ、意識をそらす力があります。
たとえば、病院の集中治療室や高級ホテルでは、室内の落ち着いた環境を保つために常時ホワイトノイズを流していることがあります。

私自身も過去に住んでいたアパートで隣人の騒音対策として、ホワイトノイズマシンを使っていました。体感ですが、騒音は70~80%ほど低減されましたよ。
ホワイトノイズマシンの選び方ポイント

ホワイトノイズマシンの選び方のポイントは以下の通りです。
①音量調整機能
音量調整がきめ細かにできるモデルを選ぶと、時間帯や環境に合わせた使い方が可能です。
②タイマー機能
夜間使用では、タイマーがあると便利です。寝る前にセットすれば、寝落ちしても自動でオフになるため安心です。
③デザイン性
日常的に使用するため、インテリア性も重要です。おしゃれでコンパクトなデザインなら、部屋に自然と溶け込みます。
④電源タイプ
USB充電や電池式など、使い勝手も考慮しましょう。持ち運びたい場合には、バッテリー駆動のモデルが便利です。
価格帯別おすすめホワイトノイズマシン5選
一級建築士の私が厳選する、おすすめのホワイトノイズマシンを価格帯別に5つご紹介します。ぜひ参考にしていただければと思います。
(時期によって価格は変動がある場合があります)
高価格帯(約5,000円以上):音質と機能性を両立
【第1位】Dreamegg W27

image : Amazon
第1位は、Dreamegg W27です。
多機能でありながらシンプルな操作性を持ち、寝室のインテリアにも馴染むデザイン。29種類の癒し音(ホワイトノイズ、自然音、ファン音など)を搭載しています。
ライト付きの目覚まし時計機能を備え、スヌーズ機能や大音量設定が可能です。無段階調光のベッドサイドランプとしても使用でき、時間表示部の明るさも調整可能。
音量調整は30段階で、イヤホンにも対応。
デザイン性 | ★★★★★ 目覚まし時計や間接照明としても使えるデザインが魅力で、インテリア性が高いです。特に無段階調光のランプがスタイリッシュ。 |
音量調節機能 | ★★★★★ 音量調整が非常に細かく、30段階調節が可能。 寝室や外出先など幅広い環境に対応します。 |
タイマー機能 | ★★★★☆ タイマー機能が充実しており、30分、60分、90分など細かく設定できます。 |
コンパクトさ | ★★★☆☆ ベッドサイド用として設計されており、持ち運びには不向き。 固定して使うタイプです。 |
電源タイプ | USB給電 寝室や固定設置向け。常に電源が必要なため、コンセントが必要。 |
【第2位】Dreamegg Sunrise 1

image:Amazon
第2位は、Dreamegg Sunrise 1です。
日の出を模したスタイリッシュなデザインとライト機能が機能性とデザイン性を両立しています。無段階調光可能な9色のライトで、就寝前のリラックスタイムも演出。
W27と同様、29種類の癒し音(ホワイトノイズ、自然音、ファン音など)を搭載しています。タイマー機能やスヌーズ機能も備え、睡眠導入や騒音対策をサポートします。
デザイン性 | ★★★★★ 目覚まし時計や間接照明としても使えるデザインが魅力で、インテリア性が高いです。特に無段階調光のランプがスタイリッシュ。 |
音量調節機能 | ★★★★★ 音量調整が非常に細かく、30段階調節が可能。 寝室や外出先など幅広い環境に対応します。 |
タイマー機能 | ★★★★☆ タイマー機能が充実しており、30分、60分、90分など細かく設定できます。 |
コンパクトさ | ★★★☆☆ ベッドサイド用として設計されており、持ち運びには不向き。 固定して使うタイプです。 |
電源タイプ | USB給電 寝室や固定設置向け。常に電源が必要なため、コンセントが必要。 |
中価格帯(約3,000~5,000円):コスパに優れたバランスモデル
【第3位】Dreamegg D3 pro

image:Amazon
第3位は、Dreamegg D3 proです。
バッテリー内蔵で持ち運びに便利なタイプです。高音質のステレオスピーカーを採用しています。
外出先でも快適なホワイトノイズを提供し、旅行や出張時にも最適です。これまでと同様、29種類の癒し音(ホワイトノイズ、自然音、ファン音など)を搭載しています。
無段階音量調節が可能で、イヤホンにも対応しています。
デザイン性 | ★★★★☆ W27やSunrise 1ほどの洗練さはありませんが、シンプルで機能的なデザインが特徴。どんなインテリアテイストにも馴染みます。 |
音量調節機能 | ★★★★★ 無段階の音量調節が可能。 寝室や外出先など幅広い環境に対応します。 |
タイマー機能 | ★★★★☆ タイマー機能が充実しており、30分、60分、90分など細かく設定できます。 |
コンパクトさ | ★★★★☆ コンパクトで持ち運びやすいサイズです。バッテリー内蔵で外出先でも使用可能です。 |
電源タイプ | バッテリー内蔵 USB充電対応で、外出時にも手軽に使えます。 |
【第4位】Dreamegg D1

image:Amazon
第4位は、Dreamegg D1です。
24種類の癒し音(7種のノイズ音、7種のファン音、10種の自然音)を搭載。無段階音量調節やタイマー機能(30分、60分、90分、連続再生)を備えています。
ナイトライトは常時点灯、呼吸モード、オフの3モードがあり、イヤホンジャックも搭載されています。USB給電式で、メモリー機能により前回の設定を自動で記憶します。
デザイン性 | ★★★★☆ シンプルで機能的なデザインが特徴です。ナイトライトを中央に配置し、操作性と視認性を両立しています。 |
音量調節機能 | ★★★★☆ 音量調整は可能ですが、上位モデルに比べて調整幅が少し少ない印象です。D1は無段階調整が可能で、イヤホン使用時にも便利です。 |
タイマー機能 | ★★★★☆ タイマー機能が充実しており、30分、60分、90分など細かく設定できます。 |
コンパクトさ | ★★★★☆ コンパクトで持ち運びやすいサイズです。USB給電式なのでコンセントがあれば外出先でも使用可能です。 |
電源タイプ | USB給電 常に電源が必要なため、コンセントが必要。 |
低価格帯(~約3,000円):初めてでも安心なエントリーモデル
【第5位】Dreamegg R30

image:Amazon
第5位は、Dreamegg R30です。
ミニサイズで、持ち運びに非常に便利なモデルです。16種類の癒し音(自然音、ホワイトノイズ、オルゴールなど)を搭載しています。
音量調整機能やOFFタイマー機能を備え、コンパクトで持ち運びに便利です。バッテリー内蔵で、外出先でも使用可能です。
デザイン性 | ★★★☆☆ 機能面では申し分ないものの、デザインは非常にシンプルで、特別なインテリア性は感じられません。持ち運びを重視した設計です。 |
音量調節機能 | ★★★★☆ 音量調整は可能ですが、上位モデルに比べて調整幅が少し少ない印象です。 |
タイマー機能 | ★★★☆☆ タイマー機能はあるものの、設定がやや単調で、上位モデルのような多機能性には欠けます。 |
コンパクトさ | ★★★★★ ミニサイズで持ち運びに便利。鞄に入れてもかさばらず、外出先で使いやすいです。 |
電源タイプ | バッテリー内蔵 充電式で、持ち運び時に強みを発揮します。USB充電対応で、外出時にも手軽に使えます。 |
まとめ|天井の防音はやり方より「考え方」を変えることが大切

賃貸住宅での天井防音には、建物構造上の限界があります。
吸音材やDIY防音シートでは、足音などの衝撃音にはほとんど効果がありません。
一級建築士としての視点から言えば、上階の床構造を変えない限り、衝撃音は完全には消せないのが現実です。
しかし、だからといって諦める必要はありません。
ホワイトノイズマシンを使えば、音を「気にならなくする」ことで、実質的な防音環境をつくることができます。
防音の正解は、「聞こえない」より「気にならない」。
あなたの暮らしに静けさと安心を取り戻すために、ぜひ一歩踏み出してみてください。
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