アパートで隣の声が聞こえる･･･たった1つの防音対策「ホワイトノイズマシン」

一級建築士の星悠真です。

賃貸アパートで、隣の話し声やテレビの音が気になっているあなたへ。

残念ながら、ネット上で売られている簡易的な防音グッズ（吸音パネルや防音カーテン）では、隣の声は防げません。

また、本格的な防音工事は賃貸ではほぼ不可能です。

そこで私が建築士としておすすめするのがホワイトノイズマシンです。

この記事では、

• なぜ隣の声が聞こえるのか
• なぜ防音グッズでは解決できないのか
• なぜホワイトノイズマシンが有効なのか

を解説します。

アパートで隣の声が聞こえるのは壁構造が原因

木造や軽量鉄骨造のアパートは、声が通りやすいのが現実です。

多くの賃貸アパートでは、隣室との間仕切り壁は軽量鉄骨に石膏ボードを貼っただけです。

壁の厚みは10cmほどしかなく、中は空洞になっているケースが多いです。この空洞が共鳴室のような働きをし、隣の声を伝えやすくします。

さらに、コンセントや配管スペースの隙間からも音は漏れます。

「隣の声がはっきり聞こえる」と感じるのは、こうした構造的な理由によるものです。

本格的な防音対策は、壁の重さを増す必要がある

音は軽い素材ほど通り抜けやすく、重い素材ほど通りにくくなります（これを質量則と呼びます）。

質量を2倍にすると、遮音性能はおおよそ6dB上がります。

本格的な防音対策の工事例としては、

• 壁に石膏ボードを増し張り
• 壁の軽量鉄骨下地を千鳥構造にする

などがあります。どちらも数十万円以上の大がかりな工事です。

賃貸では壁自体への工事が禁止されている場合が多く、原状回復の義務もあるため、実現はほぼ不可能です。

簡易的な防音グッズは隣の声にほぼ効かない

防音カーテンや吸音パネルでは会話の音は防げません。

これらは、自分が出す音を部屋に反響させないためのグッズです。

吸音パネルは室内の反響音を減らすだけで、隣から透過してくる音を防ぐものではありません。

また、防音カーテンは窓から入る音には多少効果がありますが、壁を通る声には無力です。

つまり、簡易グッズで隣の声を「消す」ことはできないのです。

それよりも、「聞こえても気にならない状態」を作る方が現実的です。

賃貸でできるのは「音を消す」より「音を目立たなくする」

残念ながら、簡易的な防音グッズでは、隣の声は防げません。また、本格的な防音工事は賃貸では非現実的です。

現実的なたった１つの防音対策は、「音を消す」のではなく「音を目立たなくする」ことです。

音を目立たなくするアプローチの１つが、ホワイトノイズです。

ホワイトノイズとは、全ての周波数の音が均一に含まれているノイズです。

川のせせらぎや滝、雨音、エアコンの「サーッ」という音などがこれにあたります。

これを意図的に流すことで、外からの生活音の周波数を打ち消す＝マスキング効果が期待できます。

これを利用して、隣の声の輪郭をぼかします。結果として、声が聞こえても意味を認識しづらくなり、ストレスが減ります。

個人的には、ホワイトノイズマシンがおすすめです。安価に購入でき、高いマスキング効果が期待できます。

ホワイトノイズマシンはコンセントやUSBで動き、設置も簡単です。工事不要で賃貸でも安心して使えます。

▽ホワイトノイズマシンの選び方とおすすめモデルはこちら▽

【2025年版】隣人の騒音対策に！おしゃれなホワイトノイズマシン5選｜一級建築士が解説

それでもダメなら引越しも選択肢に

それでも、構造的に遮音性の低い物件では限界があります。

隣の声によるストレスは、睡眠障害や集中力低下を引き起こすことがあります。対策を施しても生活に支障が出るほどであれば、引越しを検討しましょう。

部屋選びでは、

• 鉄筋コンクリート造
• 角部屋
• 最上階

を優先することで、騒音リスクを大幅に減らせます。

▽騒音に強い物件の選び方は別記事で解説しています▽

隣人の声が丸聞こえ…賃貸の防音対策ガイド｜一級建築士が教える「部屋選び」と「住んでから」できること

まとめ｜アパートの隣の声対策は「聞こえ方を変える」

• 本格的な防音工事は賃貸では困難
• 簡易防音グッズは隣の声には効果が薄い
• ホワイトノイズマシンで脳の認識を変える方法が有効
• 健康に影響するレベルなら引越しを検討

隣の声問題は、構造的な限界と向き合いながら現実的な方法を選ぶことが大切です。

ホワイトノイズマシンはすぐに試せて効果が実感しやすい方法です。

あなたの生活が、少しでも静かで快適なものになることを願っています。