一級建築士の星悠真です。
「マンションの7階ならば、地上から遠いから花粉は届かないはずだ」と考えていませんか。
実は、マンションの高層階ほど、建物の構造や風の動きによって花粉が侵入しやすいという側面があります。
この記事は、現在マンションの7階付近にお住まいで、室内でも花粉症に悩んでいる方に向けて書きました。 また、これから高層階への引越しを検討している方にも役立つ内容です。

建築設計のプロとしての知見と、花粉症の私自身が7階に住んでいた実体験をベースに解説します。
マンションの7階でも花粉は室内に侵入する

マンションの7階という高さは地上から約20メートル以上ありますが、花粉は風に乗って容易に到達します。 地上付近で舞い上がった花粉は、建物の壁面にぶつかると上昇気流に乗って上へと運ばれるからです。
結論として、7階は花粉の飛散ルートのど真ん中であり、対策なしでは室内への侵入を防ぐことはできません。
7階の室内で花粉症を発症した実体験
花粉症の私は以前、マンションの7階に住んでいました。 「ここまで高ければ窓を開けても大丈夫だろう」と油断し、春先に換気を繰り返していました。
結果として、外出していない日でも室内で激しいくしゃみや鼻水が止まらなくなりました。

改めて見直すと、部屋の構造が花粉を吸い込む仕組みになっていたことに気づきました。
部屋の換気口から花粉は侵入する
最近のマンションは非常に気密性が高く、隙間風が入らないように設計されています。
しかし、その分だけ「給気口(換気口)」から外気を取り込む力が強力に働いています。 室内で換気扇を回せば、外の空気は花粉と一緒に勢いよく部屋の中へ吸い込まれます。
窓を閉めていても、換気の通り道がある以上、花粉は自動的に入ってきてしまいます。
部屋へ花粉を入れないための物理的な対策

部屋の中に花粉を入れないためには、玄関での対策と換気口のカスタマイズが最も重要です。
室内に存在する花粉の約8割は、住人の衣類に付着して持ち込まれるか、窓や給気口から入るものだからです。

まずは「衣類のケア」と「フィルターの設置」という二つの物理的な壁を作りましょう。
1番効果的なのは「服に付いた花粉を落とす」こと
外から帰ってきた時の衣類には、目に見えないほど大量の花粉が付着しています。 玄関のドアを開ける前に、服の表面を手で払って花粉を落とすことが大切です。
これを怠ると、リビングや寝室などの生活空間に花粉を自らばら撒くことになります。
玄関に花粉を持ち込まない動線の確保
可能であれば、コートや上着はリビングに持ち込まず、玄関付近のクローゼットに収納しましょう。
空気の流れに乗って家中に広がる前に、玄関エリアで封じ込めるのが賢い考え方です。

また、ツルツルした素材の服を選ぶだけでも、付着する花粉の量を劇的に減らすことができます。
換気口の形状に合わせた高機能フィルターの設置
マンションの壁にある「給気口(換気口)」は、花粉の最大の侵入ルートとなります。
形状に合わせて適切なフィルターを貼ることで、部屋の空気をクリーンに保てます。 丸型や角型、プッシュ式など、ご自宅のタイプに合うものを必ず選んでください。
プッシュ型・フタ付き型の方はこちら

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丸形・角型の方はこちら

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加湿機能付き空気清浄機で室内環境を整える

それでも室内に侵入した花粉を処理するには、加湿機能と集塵機能を併せ持つ「加湿空気清浄機」が最適です。 花粉を水分で重くして床に落としつつ、強力な気流でフィルターに吸い込むサイクルが作れるからです。
気化式の加湿機能を持つ空気清浄機を選び、サーキュレーターで循環を促しましょう。
加湿器機能が花粉対策に有効な理由
花粉は乾燥した空気中では非常に軽く、わずかな人の動きで室内に舞い上がり続けます。 加湿機能を使って湿度を40%〜60%に保つと、花粉は水分を吸って重くなります。
重くなった花粉は床に落下するため、私たちが吸い込むリスクを大幅に下げられます。 床に落ちた花粉は、空気清浄機が効率よく回収します。
気化式の加湿空気清浄機を勧める理由

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加湿方式には様々ありますが、建築士としては「気化式(気化ハイブリッド式)」を搭載した空気清浄機を推奨します。
超音波式のように水滴を飛ばさないため、窓周りの結露やカビの発生リスクを抑えられます。 マンションの気密性を考慮すると、建物を傷めずに花粉を落とせる最適な方式です。
サーキュレーター併用で空気の流れを作る

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空気清浄機単体では、どうしても部屋の隅に空気が淀む場所ができてしまいます。
サーキュレーターを併用して対角線上に風を送ることで、部屋中の花粉を吸気口へ誘導できます。 広いリビングなどでは、この空気の循環作りが重要です。
サーキュレーターはあなたの部屋の広さに合わせたモデルを選ぶのが大切です。選び方とおすすめモデルは以下の記事で紹介しています。是非参考にしてください。
サーキュレーターは部屋の広さで決める!選び方と厳選7選|一級建築士厳選【2026年版】
洗濯物の干し方を工夫してベランダの花粉を攻略

マンションのベランダは花粉が最も付着しやすい場所の一つです。
外干しにこだわる場合は、飛散量が増える時間帯を避けるか、物理的なカバーを使う必要があります。
外干しの時間を調整して被害を抑える
花粉の飛散量は、お昼前後と夕方の2回、ピークを迎えることが一般的です。
洗濯物を外に干すのであれば、飛散が比較的少ない「早朝」か「夜間」に限定しましょう。
ベランダカバーで物理的に花粉をシャットアウト

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日光を取り入れつつ花粉を防ぐには、高機能な外干し用カバーが非常に役立ちます。 細かいメッシュ構造のカバーは、花粉だけでなく急な雨や黄砂からも衣類を守ってくれます。
7階は風が強いため、しっかりと物干し竿に固定できるタイプを選ぶのが重要です。 これがあれば、外干しの爽快感を損なうことなく、花粉の付着を劇的に減らせます。
光触媒をインテリアに取り入れる
最近の家電やインテリアには、光に反応して有害物質を分解する「光触媒」が採用されていることがあります
これは、フィルターで捕まえるだけでなく、花粉のタンパク質自体を分解して無害化する技術です。
置くだけで効果が続く光触媒フェイクグリーン

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これから新しく家電を増やすことに抵抗がある方には、光触媒加工済みのフェイクグリーンが最適です。 太陽光や照明の光に反応して、周囲の空気に含まれる花粉やニオイを分解してくれます。
水やりも不要で、インテリアとしても部屋を華やかに彩る一石二鳥のアイテムです。
まとめ:マンション7階で快適に過ごすために
マンションの7階は「花粉が来ない高さ」ではなく、むしろ「風に乗って花粉が効率よく運ばれてくる高さ」です。 この事実を認め、建物の構造的な弱点を知ることこそが、室内での発症を防ぐスタートラインとなります。
まずは外からの侵入を徹底して遮断しつつ、室内の花粉は最新の家電やテクノロジーを駆使して「落として分解」しましょう。



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