一級建築士の星悠真です。
「ロフト付きの部屋っておしゃれで広く見えるし、寝室としても使えそう!」と感じて、賃貸物件を探しているときに心惹かれる人は多いでしょう。私もかつて賃貸を選ぶ際、候補として考えていました。
しかし、実際に住んでみると「暑すぎて寝られない」「荷物置きにしかならない」といった後悔の声が多いのも事実です。

この記事では、建築のプロである私が、なぜ賃貸ロフトはやめとけと言われるのか、その理由と正しい活用法を解説します。
読めば、ロフト付き物件を選んで後悔するリスクを避け、あなたに合った部屋選びの判断材料を得ることができます。
賃貸ロフトはやめとけと言われる理由①|暑さと寒さで快適性が低い

ロフト付き賃貸は「空気の循環が悪く、夏は暑く冬は寒い」ことが最大の欠点です。
熱気がこもる構造上の問題
ロフトは天井付近に設けられることが多く、熱気が上にたまるため夏は驚くほど暑くなります。
エアコンをつけても冷気は下に溜まり、ロフト部分まで届きません。
結果的に、寝室として使うと寝苦しい夜が続くのです。
冬の寒さも深刻
冬は逆に冷気が下に落ちますが、屋根付近のロフトは冷たい外気の影響を受けて想像以上に冷え込みます。
暖房効率が悪いため光熱費も高くなり、コスト面でも不利です。

つまり、ロフトは一年を通じて快適に過ごしにくい空間になりやすいのです。
賃貸ロフトはやめとけと言われる理由②|実際には使い勝手が悪い

ロフトは「便利そうに見えて使いづらい」ケースが多いです。
寝室にすると不便
ロフトを寝室として使うと、先ほど説明した暑さ寒さに加え、天井が低いことで圧迫感を感じます。
起き上がると頭をぶつけることもあり、快適な生活空間とは言えません。
収納としても限界がある
荷物置きにする場合も、はしごで上げ下げするのは手間です。
重いものや頻繁に使うものを置くのは現実的ではなく、結局「置きっぱなしの物置」と化すことが少なくありません。
夜中にのどが渇いたりトイレに行くときに不便
ロフトを寝室にすると、夜中に水を飲みたいときやトイレに行きたいときもはしごを下りなければなりません。
暗い中での昇降は危険ですし、毎日のこととなると大きなストレスになります。

結果として「やっぱりロフトを寝室にするのはやめとけばよかった」と感じる人が多いです。
賃貸ロフトはやめとけと言われる理由③|はしごや階段の危険性

ロフトへのアクセスは多くの場合はしごであり、安全性に問題があります。
転落のリスク
急なはしごを使って毎日上り下りをするのは危険です。
寝ぼけて足を踏み外せば、大きな事故につながることもあります。特に荷物を持って上り下りするときは、バランスを崩しやすいです。

私も、友人の家のロフトから降りる際、寝起きで足を踏み外して落下した経験があります…
賃貸ロフトのデメリットを一級建築士が整理

部屋探しをしているとき、ロフトは「広く使える」「おしゃれ」というイメージが先行してしまうものです。しかし専門家の視点から整理すると、以下のデメリットがあります。
デメリットのまとめ
- 夏は暑すぎて眠れない
- 冬も冷えて光熱費が高い
- 寝室としては圧迫感がある
- 収納場所としては使い勝手が悪い
- はしごの昇降が危険
これらを考えると、賃貸ロフトはやめとけという意見に納得できるはずです。
賃貸ロフトのメリットも確認しておく

ただし、ロフトが完全に無意味というわけではありません。
あなたのライフスタイルによってはメリットになることもあります。
メリットのまとめ
- 天井が高く開放感を感じられる
- 一時的な荷物置きには便利
- デザイン的におしゃれに見える
- 家賃の割に「広さがある」と感じやすい
つまり、ロフトは「用途を限定すれば使える空間」です。

あなたがどのように生活したいのかを冷静に考える必要があります。
賃貸ロフトを選んでも後悔しない人の条件
もしあなたがそれでもロフト付き物件に惹かれているなら、自分が条件に当てはまるかどうか確認してみましょう。
条件のまとめ
- ロフトを寝室ではなく収納に割り切れる人
- 荷物が少なくシンプルな生活をしている人
- はしごの上り下りが苦にならない人
- 短期間だけ住む予定の人

これらに当てはまるなら、あなたにとってロフトは便利に使えるかもしれません。
ロフトを快適にしたいあなたへ|サーキュレーター活用術がおすすめ

ここまでお伝えした通り、賃貸ロフトは暑さや寒さが大きなデメリットです。
しかし、どうしてもロフト付き物件を選びたい、またはすでに住んでいて改善したいという方へ。
そんなときに役立つのが「サーキュレーターを使った空気循環」です。
上にたまりがちな熱気を下に、下にたまる冷気を上に送ることで、ロフト空間を驚くほど快適に変えることができます。
▼詳しい方法はこちらの記事で解説しています
ロフトが暑くて眠れない!サーキュレーター2台で快眠する方法と置き方|一級建築士が解説
賃貸ロフトはやめとけ?後悔しないためのまとめ

ここまで解説してきたように、賃貸ロフトは「一見おしゃれで広々と見える」ものの、実際に生活を始めると数々のデメリットが表面化します。
特に大きな問題は、暑さ寒さの不快さ、はしごの危険性、使い勝手の悪さです。
夏は熱気がこもって寝苦しく、冬は冷えて光熱費がかさみます。はしごでの昇降は転落リスクがあり、夜中にのどが渇いたりトイレに行きたくなったりすると不便さを強く感じます。収納としても中途半端で、結局「思ったより使わない空間」となりやすいのです。
では、ロフトは絶対に選んではいけないのでしょうか?
答えは「あなたのライフスタイル次第」です。
短期間の一人暮らしで、ロフトを寝室ではなく収納や趣味空間に割り切れるなら活用できる可能性もあります。家賃の安い物件で「少しでも広く見せたい」という目的には合う場合もあるでしょう。
一方で、長く住む予定がある人、荷物が多い人、快適さを重視する人にはおすすめできません。特に「寝室にしたい」と考えている場合は要注意です。快適性が低く、生活の質を下げてしまう可能性が非常に高いからです。
したがって、賃貸のロフト付き物件を検討しているあなたには、次のようなステップをおすすめします。
- デメリットを冷静に理解すること
見た目や間取り図だけで判断せず、実際に住むことを想像して考える。 - 物件見学で必ずチェックすること
天井高、エアコンの効き具合、はしごの角度、安全性を細かく確認する。 - 自分のライフスタイルに合うか見極めること
寝室か収納か、どのように使うかを明確にしてから判断する。
この3つを実践すれば、ロフト付き賃貸を選ぶべきかどうか、自信を持って決められるはずです。
そして、もし「どうしてもロフト付き物件に住みたい」「すでに契約していて快適にしたい」と考えているなら、改善策を知ることも重要です。
とくに暑さや寒さの解消にはサーキュレーターの活用が効果的です。空気を循環させることで温度差を減らし、ロフト空間を快適に変えることができます。
▼詳しい方法はこちらの記事で解説しています
ロフトが暑くて眠れない!サーキュレーター2台で快眠する方法と置き方|一級建築士が解説
大切なのは「おしゃれさ」ではなく「実際の暮らしやすさ」です。冷静に比較検討し、あなたにとって最適な住まいを選んでください。
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