一級建築士の星悠真です。
賃貸で「夜中に隣の部屋の話し声がうるさい」と悩むあなたへ。
木造アパートのように壁が薄い建物では、生活音や声が簡単に伝わってしまいます。
この記事では建築士の視点を交えつつ、あなたが今すぐできる唯一の対策「ホワイトノイズ」を具体的に紹介します。

最後まで読めば、夜中の騒音に悩まされることなく、安心して眠れる方法がわかります。
隣の声が聞こえる原因は「壁の構造」
木造や軽量鉄骨造のアパートは、声が通りやすいのが現実です。
建物の遮音性能は「質量則」という原理に従っており、壁や床が重いほど音を通しにくくなります。

「質量則」とは、「壁が重く(=質量がある)なるほど、音を通しにくくなる」という防音の基本ルールです。

しかしアパートや低価格帯のマンションでは、壁の厚みや重さが十分ではありません。そのため人の声や生活音が簡単に伝わってしまうのです。

裏を返せば、壁の質量を増す以外の遮音対策は、ほぼ意味が無いということです。
本当に効果がある防音は、壁の重量を増やす工事や二重サッシ化といった大掛かりな方法です。
しかし、賃貸では原状回復の義務もあるため、実現はほぼ不可能です。
ではどうすれば良いのか。
その答えが「音を消すのではなく、気にならなくする」という発想です。
今すぐできる!隣の部屋の話し声をやわらげる「ホワイトノイズ」

「ホワイトノイズ」とは、一定の周波数を含んだ雑音のことです。
具体的には雨音や波音、風の音、扇風機の音などが代表例です。
ホワイトノイズを流すと、あなたが聞き取りたくない「隣の部屋の話し声」をマスキングできます。
つまり、完全に消すのではなく「聞こえるけど気にならない」状態にするのです。

実際に赤ちゃんの寝かしつけにも使われている方法で、安全性と効果は実証されています。
夜中の不快な声が気になって眠れない場合、すぐに試してほしい対策です。
まずは、スマホでホワイトノイズを試そう

今すぐ試せるのは、スマホを使ってホワイトノイズを流す方法です。
YouTubeで「ホワイトノイズ」と検索すれば、無料で利用できる音源が多数見つかります。
寝室で流しておけば、隣の部屋の話し声がやわらぎます。特にイヤホンを使わずスピーカーで再生すると、自然な環境音として寝室全体に広がるので効果的です。

「夜中にうるさい声のせいで眠れない」という悩みを、まずは手元のスマホで解消してみましょう。
より効果を求めるには、「ホワイトノイズマシン」がおすすめ

image : Amazon
長期的に快適な睡眠環境をつくりたい方にはホワイトノイズマシンをおすすめします。
専用のマシンは音質が安定しており、効果が高いです。
また、スマホのように充電切れや広告の心配がありません。タイマー機能や音量調整も細かく設定できるため、生活リズムに合わせて使いやすいです。
「隣の部屋の話し声が夜中に聞こえて眠れない」という悩みを根本的に軽減したいなら、ホワイトノイズマシンを検討すると良いでしょう。

私自身も過去に住んでいたアパートで隣人の騒音対策として、ホワイトノイズマシンを使っていました。体感ですが、騒音は70~80%ほど低減されましたよ。
▽ホワイトノイズマシンの選び方とおすすめモデルはこちら▽
【2025年版】隣人の騒音対策に!おしゃれなホワイトノイズマシン5選|一級建築士が解説
ホワイトノイズと併用できるおすすめの対策2つ
ホワイトノイズだけでも十分効果はありますが、併用すればさらに快適に眠れるようになります。
ここでは一級建築士の視点から実際に役立つ方法を紹介します。
重い家具を壁際に配置して声を遮る

家具を壁際に配置すると、質量が増えて遮音効果が高まります。
これは「質量則」に基づいたシンプルな工夫です。
本棚や収納を隣室と接している壁側に置くだけで、話し声を軽減できます。特に本をたくさん詰めた本棚は、簡易的な防音壁のような役割を果たします。
ベッドの位置を変えて声の影響を避ける

ベッドが隣室の壁に接していると、直接声の振動を感じやすくなります。
そこでベッドを部屋の反対側に移動させるだけで、音の影響を大きく減らせます。家具配置と同じく、費用がかからずすぐにできる現実的な対策です。
実はNG!効果が薄い、または注意が必要な対策
騒音対策と聞くと「これなら効きそう」と思う方法がいくつかあります。
しかし実際には効果が薄かったり、注意が必要なものもあります。
市販の「吸音パネル」は効果がない
吸音パネルは自身の部屋で反響する音を吸収するためのものです。
そのため、隣の部屋から壁を通して伝わる声には効果がほとんどありません。
「遮音カーテン」は壁の声に無意味
遮音カーテンは外からの話し声にはある程度有効です。
しかし隣室の壁から伝わる声にはほぼ効果がありません。
「ノイズキャンセリングイヤホン」は安全面に注意
ノイズキャンセリングイヤホンを使えば、確かに隣の部屋の話し声を軽減できます。
しかし睡眠中に使用すると、目覚ましアラームや火災報知器が聞こえなくなる危険性があります。快適さと引き換えにリスクを背負うため、常用はおすすめできません。
まとめ|夜中の騒音対策はホワイトノイズで解決

隣の部屋の話し声が夜中にうるさい原因は、壁の構造や建物の遮音性の低さにあります。
本当に防音するには壁の重量を増やす工事や二重サッシが必要ですが、賃貸住宅では現実的ではありません。
そこで今すぐできる現実的な解決策が「ホワイトノイズ」です。スマホで無料音源を流す方法から始め、慣れてきたら専用マシンを導入するとさらに快適になります。
また、重い家具を壁際に配置したり、ベッドの位置を変えるといった工夫も併用すれば効果が高まります。
一方で吸音パネルや遮音カーテンは期待ほど効果がなく、ノイズキャンセリングイヤホンは安全面でリスクがあります。
夜中の隣人の声で悩んでいるあなたも、今日からできるホワイトノイズ対策を取り入れてみてください。不快な音を気にせず、安心して眠れる夜を手に入れましょう。
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